またしても吉原

遊郭(さと)のはなし (幽ブックス)

遊郭(さと)のはなし (幽ブックス)

「この遊郭には、色々と奇体な話もございますが、怪談なぞは千三つ、真実、怖いお話は、誰も口にはいたしません」
吉原の遊郭「百燈楼」の七不思議。
吉原、遊郭、怪談。とくればこれは絶対自分のツボにくる!と購入。
吉原の遊郭で、見えない主人公(?)に対して遊郭の関係者が次々を話をし、話の全体が見えてくる、という趣向はやはりどうしても「吉原手引草」を思い出すし、比べてしまいますな。
つってもまあ「吉原手引草」は題名通り吉原の手引書だし、こっちは吉原が舞台の怪談話だから全然違うものなんだけどねえ。
吉原遊郭の怪談なんて嵌りすぎるー。吉原遊郭自体がもう気味悪いもの。


ホラーと怪談て別物よね。私は怪談は好きだけどホラーはあまり。
前半は怪談だったので、やっぱりこれは大当たりだった!と思ったけども、後半からホラーでちょっと微妙でした。
最後まで読んだら怪談文学というよりはホラー小説だと思った。まあ私の感覚的な主観ですけど。怪談文学とホラー小説は別物とか言っておいて、その線引きがどこにあるのかよくわからん。
第一章はかなり好きだあ。気味悪い!すごい。あとあとの解答編はむしろいらないと思ったくらい気味悪かった。
次回作が楽しみですなあ。