いじめとか言うレベルじゃないよね
- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10/28
- メディア: 文庫
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イジメをした相手に復讐される話〜。
蒲団にうずくまって読みました。夢中で読んだはいいけど、題材がイジメなだけに読後感がすこぶる良くないです。まあ、ねえ・・。うん。
話的には面白いのだけども、軽く「面白かった」とは言えないくらいのイジメ具合で、どうにもこうにも暗い気分になるなあ。
なのでとりあえず虐め云々は置いておくとして。
主人公含め登場人物がみんな魅力的・・ていうか個性があって「生身」を感じられました。人物造形に説得力があって、それだけに人の弱さが生々しい。
ただ、三人称なのに主人公視点の口語調という不思議な文章でちょっと読みづらいトコがあったけど。「いつも光也の部屋に勝手に入ってくるうちの母さん」とか。ん?みたいなね。最初のうちは混乱してしまったけど、慣れればこれも味のうち?
あと内容以前に、この小説は背表紙にあらすじ「衝撃の結末!!」とか書いてあるのが駄目だと思います。そのせいで結末が想像ついちゃうもん。
つーか住民票とかから追ったらいいんじゃん、とか思ったりするのは私が大人だからですか。宮部みゆきの「火車」では取ってたような。まあ高校生は住民票って手は使わないか。とりあえず今後のために他人の住民票もしくは戸籍を見る方法を小一時間考えてみたり。危険思想。
でも話の展開がどうのっていうより何よりも、いつもは忘れ去ってる自分自身の過去の行いとかがものすごい勢いで思い出されてへこみましたよ。
昔の私って嫌な奴・・。みたいな。
まあ、今も結構嫌な奴ですけど。
嫌な奴っていうか駄目な奴ですが。
読むと落ち込む小説です。